よくある質問: Difference between revisions

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という内容語の形態論とアクセント規則があるからです。  
という内容語の形態論とアクセント規則があるからです。  


* 例えば {bavlamdei} という内容語には {-dei} という rafsi が含まれていますが、 {dei} という cmavo と混同される恐れはありません。
* 例えば '''bavlamdei''' という内容語には '''-dei''' という rafsi が含まれていますが、 '''dei''' という cmavo と混同される恐れはありません。
もしこの {-dei} を cmavo とみなすと、その直前の bavLAM (内容語のアクセント規則に従い、  {bavlamdei} は LAM の位置にアクセントがあります)という音素列が、ロジバンの構文に当てはまりません。 それは以下のような解析によります。
もしこの '''-dei''' を cmavo とみなすと、その直前の '''bavLAM''' (内容語のアクセント規則に従い、  '''bavlamdei''' '''LAM''' の位置にアクセントがあります)という音素列が、ロジバンの構文に当てはまりません。 それは以下のような解析によります。


まず bavLAM の最後の子音の後にポーズが無いので、 この音素列は名前専用の単語と見なされません。 さらに、この音素列は子音で終わっていることを理由として、内容語ではないと判断されます。 子音の連続を含むので、 cmavo でもありません。
まず '''bavLAM''' の音素列は子音で終わっていることを理由として、内容語や cmavo ではないと判断されます。 さらに、この最後の子音の後にポーズが無いので、 この音素列は名前専用の単語と見なされません。  


以上の解析によって、 bavLAMdei という音素列がロジバンの表現であるかぎり、この {-dei} の前で単語を区切ることはできません。 従ってこの {-dei} は cmavo ではなく rafsi であると見なされます。  
以上の解析によって、 '''bavLAMdei''' という音素列がロジバンの表現であるかぎり、この '''-dei''' の前で単語を区切ることはできません。 従ってこの '''-dei''' は cmavo ではなく rafsi であると見なされます。  


* アクセント位置が rafsi と cmavo の区別を左右する場合もあります。 {mojGAUnoi} という音素列は 1つの内容語とみなされ、この {-noi} は rafsi であると解析されます。 {MOJgaunoi} という音素列は {mojgau} {noi} という2つの単語に分離していると解析されます。
* アクセント位置が rafsi と cmavo の区別を左右する場合もあります。 '''mojGAUnoi''' という音素列は 1つの内容語とみなされ、この '''-noi''' は rafsi であると解析されます。 一方、 '''MOJgaunoi''' という音素列は '''mojgau''' '''noi''' という2つの単語に分離していると解析されます。


{| class="wikitable"
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! 発話 !! 構文 !! 意味
! 発話 !! 構文 !! 意味
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| labavLAMdeicuCUSku || la bavlamdei cu cusku || アシタさんが言う。
| '''labavLAMdeicuCUSku''' || '''la bavlamdei cu cusku''' || {{ir|アシタさんが言う。}}
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| la.bavLAM.deicuCUSku  || la bavlam dei cu cusku || バヴラムさんがこれ(現発話)を言う。
| '''la.bavLAM.deicuCUSku''' || '''la bavlam dei cu cusku''' || {{ir|バヴラムさんがこれ(現発話)を言う。}}
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| lomojGAUnoiBARda || lo mojgaunoi barda || 備忘録の大きいもの
| '''lomojGAUnoiBARda''' || '''lo mojgaunoi barda''' || {{ir|備忘録の大きいもの}}
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| loMOJgaunoiBARda  || lo mojgau noi barda || 大きな、思い出させる者
| '''loMOJgaunoiBARda''' || '''lo mojgau noi barda''' || {{ir|大きな、思い出させる者}}
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Revision as of 09:59, 1 April 2015

ロジバン全般

ロジバンて何?

人が話すことに使えるように、計画的に構成された言語です。 音素を文法に従って並べた時系列が、意味のある文となります。 文字に決まりはありませんが、ASCII印字可能文字のいくつかとスペースだけで表示するのが一般的です。

ロジバンの文法は、構文に曖昧性が生じないように作られています。 1997年時点で公式の文法は yacc 文法で書かれています。現在では peg で書かれた文法もあります。 構文解析器も作られ、ロジバンの学習に使われています。

内容語の語根は地球上の六大言語の単語に基づき、話者数に応じた重みをかけて音素列を合成することによって作られています。 語根の選択が文化的相違や性別に関してできるだけ中立になるように配慮されています。

意味論として、数理論理学の知見に基づいて文の真理値が与えられる一方で、別の人工言語ラーダンから証拠性を表すための指標を多く取り入れ、自由な心理表現を可能にしています。

なぜロジバンを学ぶの?

  • 人によります。 技術革新に興味を持つ人は、人と機械とのコミュニケーションや人工知能の分野でロジバンを使うことに、多くの可能性を見出すでしょう。 芸術志向の人は、ロジバンの比類のない表現力の豊かさに心を奪われるでしょう。 数学好きな人や、自然言語の理不尽さに疲れた人は、ロジバンの構造の美しさに惹かれるでしょう。 哲学好きな人は、ロジバン設計の言語哲学的な背景について思考を深めるでしょう。 これらの特徴の全てを高い水準で兼ね備えた言語は、今のところ、ロジバンのほかには見当たりません。 言語を習得する能力を持って生まれてきた人なら、非営利目的で学ぶ言語の選択肢からロジバンを除外する方がむしろ不自然です。 (la guskant 談)
  • ロジバンを学ぶ7つの理由(英語)(Daniel Piccirillo 談)

誰が作っているの?

ロジカル・ラングイッジ・グループ (Logical Language Group: LLG) という団体が1987年に結成され、この団体がロジバンを設計してきました。 LLG は 1988年に非営利の教育・学術団体としてアメリカ合衆国内国歳入庁に認定されています。 ロジバンは 1997年までには現在とほぼ同じ形になり、この年、ロジバン大全 (The Complete Lojban Language: CLL) が出版されました。 そのあと5年間は、言語としての成長を期待して、仕様変更が凍結されました。 2002年に仕様変更が解禁となり、 その年の LLG の新規定に基づいて、言語計画決定委員会 (baupla fuzykamni: BPFK) がロジバンの設計を調整していくことになりました。

ロジバンを話す人は何人いるの?

2014年7月までの本の注文数やメーリングリストの登録数から察するに、興味を持っている/いた人は2000人程度いるようです。 また IRCの文字チャット の参加人数から察するに、ロジバンを使っている人は、どの時期にも50から100人程度はいるようです。

オフ会ってあるの?

アメリカ合衆国では年に1度 LogFest という集まりがあります。 それ以外の地域でも不定期に集まることがあります。 日本では 2010年に1回、 2011年に 2回、 2013年に 2回、オフラインでロジバン話者が集まる機会がありました。

教材

The Lojban Reference Grammar と The Complete Lojban Language はどこが違うの?

どちらも CLL あるいは ロジバン大全 と呼ばれていますが、 正確には以下のような違いがあります。

どうやって習うことができるの?

学習 のページに挙げた教科書を読むのが一般的な方法です。 その下に挙げた解説書も充実してきました。 形式文法が読める人は lojban peg から読み始めるのも近道です。 わからないことがあれば、恥ずかしがらずに ロジバン相談室 (日本語)lojban-beginners (多言語) で質問してみましょう。

読み物は何があるの?

ロジバンで表現された著作物や音声資料はたくさんあります。 ロジバンの歌も増えてきました。 お好きなものをお選びください。


ロジバンのメーリングリストではどんなことを話題にしていいの?

  • ロジバン相談室 では学習で困ったことを何でも日本語で質問できます。 質問以外にも、ロジバンに関することなら何でも話題にできます。
  • lojban-beginners は学習上の質問だけに特化したメーリングリストです。 英語で質問する人が多いですが、日本語のわかる人も何人か参加しているので、日本語で質問しても返事を期待できるでしょう。
  • ロジバン若手の会 (日本語)lojban (多言語) では、学習上の質問以外で、ロジバンに関することなら何でも話題に出来ます。

使用に際して

ほかの言語からの借用語はどうやって作るの?

他言語の表現をロジバンの文中で扱うには、ロジバン化の度合いによっていくつかの方法があります。

原語のまま

原語のままの形に特別な機能語を付けると、ロジバン構文の構成要素になります。

zoi py にゅうどうぐも py
「にゅうどうぐも」という記号列
la'o py にゅうどうぐも py
「にゅうどうぐも」という記号列が指すもの

名前専用の単語

原語の音をロジバンの規則に従う音素列に転写して、名前専用の単語を作ることができます。

nudogumon
「nudogumon」という単語

内容語

原語の音をロジバンの形態論に従う内容語の形に転写して、ロジバンのあたらしい借用語を作ることができます。 その際に、以下の2種類の方法があります。

ロジバン語根を使う

ロジバン語根につなげる形にして、意味がわかりやすい借用語を作ることができます。

dilnrnudogumo
ロジバンで雲を表す語根 diln- に原語からの転写 nudogumo をつなげて1つの借用語にしたもの

ロジバン語根を使わない

簡潔さを求めてロジバン語根を使わずに借用語を作ることができます。

nudgumo
原語の転写から、ロジバン形態論に従う内容語の形になるように調整して借用語にしたもの

あたらしい借用語を作ったら、適切な Place Structure を与えて、 jbovlaste に登録してください。 日本語定義だけでなく、 ロジバン定義も必ず登録しましょう。 そうすれば、日本語がわからないロジバン話者も、あなたの作った借用語を使ってくれるようになります。


rafsi と cmavo に同じ形のものがあるのに混同しないの?

rafsi と cmavo は曖昧性無く区別されます。 なぜなら、

  1. 全ての内容語は母音で終わり、
  2. 全ての内容語は最後から2番めの音節にアクセントがあり、
  3. それ以外の単語で任意の位置にアクセントを置けるのは名前専用の単語だけであり、
  4. 名前専用の単語は子音で終わり、
  5. 名前専用の単語の前後には必ず無音のポーズが置かれる(この必須のポーズは、ASCIIで書かれた文であればピリオド「.」かスペース「 」で表される)

という内容語の形態論とアクセント規則があるからです。

  • 例えば bavlamdei という内容語には -dei という rafsi が含まれていますが、 dei という cmavo と混同される恐れはありません。

もしこの -dei を cmavo とみなすと、その直前の bavLAM (内容語のアクセント規則に従い、 bavlamdeiLAM の位置にアクセントがあります)という音素列が、ロジバンの構文に当てはまりません。 それは以下のような解析によります。

まず bavLAM の音素列は子音で終わっていることを理由として、内容語や cmavo ではないと判断されます。 さらに、この最後の子音の後にポーズが無いので、 この音素列は名前専用の単語と見なされません。

以上の解析によって、 bavLAMdei という音素列がロジバンの表現であるかぎり、この -dei の前で単語を区切ることはできません。 従ってこの -dei は cmavo ではなく rafsi であると見なされます。

  • アクセント位置が rafsi と cmavo の区別を左右する場合もあります。 mojGAUnoi という音素列は 1つの内容語とみなされ、この -noi は rafsi であると解析されます。 一方、 MOJgaunoi という音素列は mojgaunoi という2つの単語に分離していると解析されます。
構文解析例
発話 構文 意味
labavLAMdeicuCUSku la bavlamdei cu cusku アシタさんが言う。
la.bavLAM.deicuCUSku la bavlam dei cu cusku バヴラムさんがこれ(現発話)を言う。
lomojGAUnoiBARda lo mojgaunoi barda 備忘録の大きいもの
loMOJgaunoiBARda lo mojgau noi barda 大きな、思い出させる者


発音

発音のしかたを自分が正しく理解しているかどうか、確信が持てない